教員を辞めたいと思ったとき、最初に確認する5つのこと

教員を辞めたいと 思ったとき

「教員を辞めたい」と思ったとき、すぐに転職活動を始める必要はありません。まず確認したほうがいいことが5つあります。そのうえで、動くかどうかを決めても遅くありません。この記事では、辞めたいと思う理由の切り分け方と、いま使える制度、動く場合の進め方を整理します。

目次

1. 何が嫌なのかを分ける

「学校が嫌」とまとめてしまうと、次の判断ができません。まず分けてください。

  • 労働時間|部活動、行事の準備、持ち帰りの仕事
  • 業務内容|授業そのものか、事務作業や書類か
  • 人間関係|職員室、管理職、保護者
  • 制度・環境|異動、給与体系、評価のされ方
  • 体調|眠れない、朝起きられない、食事が喉を通らない

このうち労働時間と業務内容が理由なら、転職で変わる可能性が高いです。掲載事例では、転職後の残業時間が平均で月40.0時間減っています。

一方、人間関係が理由の場合は、異動で解決することもあります。転職より先に、異動の希望を出す選択肢を検討する価値があります。

2. それは自分だけの問題か

文部科学省の教員勤務実態調査(令和4年度)によると、平日1日あたりの平均在校等時間は小学校で10時間45分、中学校で11時間1分です。月の時間外勤務が45時間を超える教員は小学校で64.5%、中学校で77.7%。80時間を超える教員は中学校で57.7%にのぼります。

また、精神疾患による病気休職者数は令和5年度に7,119人と過去最多でした。

つまり、辛いと感じているのは個人の弱さの問題ではありません。構造の問題です。ここを取り違えて「自分が至らないから」と抱え込むと、判断が遅れます。

3. 体調が崩れていないか

次のような状態があるなら、転職より先に休むことを考えてください。

  • 朝、起きられない日が続いている
  • 夜、眠れない。あるいは眠っても疲れが取れない
  • 食欲がない、体重が急に変わった
  • 日曜の夕方に動悸がする
  • 子どもの顔を見るのが辛いと感じるようになった

公立学校の教員には、病気休暇(有給・最大90日程度)と病気休職の制度があります。自治体によって日数や条件が違うので、事務室や共済の窓口で確認してください。診断書があれば取得できます。

体調を崩したまま転職活動をすると、判断力が落ちた状態で条件を決めることになります。まず回復してからのほうが、結果的に良い選択ができます。

4. 辞めるとしたら、いつが現実的か

掲載229件の内訳は、年度末(3月末)が174件、年度途中が55件です。年度途中でも辞められますが、後任の手当てが必要になるぶん、学校側の負担は大きくなります。

年度末退職を狙う場合の逆算は次のとおりです。掲載事例の転職活動期間は平均5.5ヶ月でした。

  • 6月ごろ|情報収集を始める
  • 9月ごろ|応募を開始する
  • 11〜12月|内定を得て、管理職に伝える
  • 3月末|退職

詳しくは 教員はいつ辞めるのが現実的? をご覧ください。

5. 辞めた先に何があるかを見ておく

「辞めたい」と思っている段階で、辞めた後の姿が見えていないことは珍しくありません。まず、自分に近い経歴の人がどこへ行ったかを見てみてください。

掲載事例では、教育業界の中で経験を活かす道(塾・予備校、教材編集、教室長、教育コンサルタント、学校事務、大学職員)と、異業種へ移る道(法人営業、キャリアアドバイザー、カスタマーサクセス、人事、事務・バックオフィス)の両方が、おおよそ半々の割合で記録されています。

年収は平均で561万円から537万円へ、30万円下がっています。同時に、残業時間は月40.0時間減っています。この交換に納得できるかどうかが、判断の分かれ目になります。

すぐに辞めなくてもできること

  • 職務経歴書を書いてみる|転職しなくても書けます。自分が何をやってきたかを言語化する作業そのものに意味があります。
  • 異動希望を出す|人間関係や校種が理由なら、これで変わることがあります。
  • 他の校種・自治体を調べる|同じ「教員」でも、校種や自治体によって働き方は違います。
  • 1件でいいので事例を読む|辞めた人が何を得て何を失ったかを知ると、自分の判断材料になります。

よくある質問

教員を辞めたいと思うのは甘えですか?

違います。月の時間外勤務が45時間を超える教員は中学校で77.7%、80時間を超える教員は57.7%です。精神疾患による休職者は過去最多を更新し続けています。個人の問題ではなく、働き方の構造の問題です。

1年目・2年目でも辞めていいですか?

掲載事例には、教員歴1〜2年での転職が複数あります。若いうちのほうが未経験分野への挑戦はしやすいという記録もあります。ただし、辞める前に「何が嫌なのか」を分けておくことは、経験年数に関係なく必要です。

辞めると言い出せません

掲載事例では、内定が出てから伝えるという順番が共通しています。転職先が決まらないまま伝えると、引き止めに応じざるを得ない状況になりやすくなります。まず動いて、決まってから伝える。この順番にすると、言い出しやすくなります。

教員免許は無駄になりますか?

なりません。免許更新制は廃止されているため失効せず、講師としての復帰も可能です。また、教育業界への転職では免許より「学校の中を知っていること」が評価されます。

辞めた人が、その後どうなったか

校種・転職したときの年齢・転職後の職種から、自分に近い経歴の事例を検索できます。

あわせて読みたい:教員から転職して後悔する人はどんな人?/教員の転職先はどこ?

出典

  • 文部科学省「教員勤務実態調査(令和4年度)確定値」
  • 文部科学省「令和5年度 公立学校教職員の人事行政状況調査」
  • 教員転職データベース掲載事例229件の集計(集計日:2026年10月23日)

辞めることのメリットとデメリットを並べて考えたい方は教員が転職して良くなること・悪くなることへ。

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この記事を書いた人

教員として教育現場での勤務を経験した後、人材業界へ転職。
転職エージェント時代には、自身の経験を活かして教員から民間企業への転職支援を多数経験し、現在は人事として採用に携わっています。
教員としての当事者視点と、転職支援・採用双方の知見を活かし、本サイトを監修しています。

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