教員の転職先はどこ?実際に選ばれている職種と、選ばれる理由

教員の転職先はどこ? 実際に選ばれている職種

教員から転職した人は、実際にどんな仕事に就いているのか。本サイトに掲載している231件の事例をもとに、選ばれている職種と、その理由を整理します。

目次

教員の転職先はどこが多い?

大きく分けて2つあります。教育に関わり続ける道と、異業種へ移る道です。掲載事例で多い順に並べると、次のようになります。

転職後の職種件数年収の変化(平均)
事務・バックオフィス16件471 → 443万円
大学職員9件691 → 589万円
教室長・スクールマネージャー8件554 → 538万円
経営・事業企画11件576 → 585万円
広報10件506 → 481万円
キャリアアドバイザー12件498 → 506万円
カスタマーサクセス13件542 → 552万円
法人営業11件522 → 559万円
教育コンサルタント10件643 → 593万円
集計対象:教員転職データベース掲載事例231件/集計日:2026年10月24日

転職先の業界で見ると、教育・EdTechが40件と最も多く、次いでIT・SaaS16件、医療・福祉12件、人材11件、メーカー11件と続きます。教育から完全に離れる人と、形を変えて教育に関わり続ける人が、おおよそ半々という分布です。

どちらが良いという話ではありません。「教える仕事そのものを続けたいのか」「教育に関わりたいが、教える立場でなくてもよいのか」「一度まったく違う環境に身を置きたいのか」で、選ぶ道が変わります。

教育業界の中で経験を活かす転職先

教科の知識と、子どもがどこでつまずくかを知っていること。この2つがそのまま評価されるのが、教育業界内の転職です。

  • 塾・予備校講師|授業そのものを続けられます。担任業務や部活動がないぶん、教科指導に時間を使えます。一方で、勤務は夕方から夜が中心になります。
  • 教室長・スクールマネージャー|生徒と保護者への対応、講師の育成、教室の運営。学級経営と分掌の経験が直接つながる仕事です。
  • 教材編集・制作|授業プリントを自作していた経験が実務経験として見られます。求人数は多くないため、活動期間は長めに見ておく必要があります。
  • EdTech企業のカスタマーサクセス|導入した学校の先生を支援する仕事です。学校の意思決定の流れや年度の動き方を知っていること自体が強みになります。
  • 教育コンサルタント|学校や自治体に対して、カリキュラムや校務の改善を提案します。経験年数が長いほど評価されやすい領域です。
  • 学校事務・学校法人職員/大学職員|教える側から支える側へ。勤務時間が読みやすくなる一方、募集の時期が限られます。

異業種への転職先

異業種では「教科の知識」ではなく、人を相手に動いてきた経験が評価されます。

  • 法人営業|特に教育系のサービスを学校に提案する営業は、現場を知っていることが直接の武器になります。成果給が乗るため、年収が上がる可能性がある数少ない職種でもあります。
  • キャリアアドバイザー/リクルーティングアドバイザー|面談で相手の状況を聞き取り、次の一手を一緒に決める仕事です。進路指導や保護者面談との共通点が多く、未経験の受け入れも比較的多い領域です。
  • カスタマーサクセス|導入した企業の担当者と伴走します。「わからない人にわかるように説明する」ことが仕事の中心なので、授業の経験が活きます。
  • 人事|採用・育成・制度設計。個別の指導計画を作って回してきた経験は、育成プログラムの設計と重なります。
  • 事務・バックオフィス|勤務時間が最も読みやすくなる選択肢です。そのぶん年収は下がりやすく、キャリアの積み上げ方を別に考える必要があります。
  • マーケティング・広報|学級通信や学校説明会の資料づくりを続けてきた人が移りやすい領域です。

未経験でも移りやすい職種、難しい職種

未経験の受け入れが比較的多いのは、営業・キャリアアドバイザー・カスタマーサクセス・事務です。人の入れ替わりがある程度あり、育成の仕組みを持っている会社が多いためです。

逆に、教材編集・法務・経理・エンジニアは未経験からの募集が少なめです。まったく不可能ではありませんが、応募できる求人の数が限られるぶん、活動期間は長くなりがちです。教材編集であれば自作の教材を、エンジニアであれば学習の成果物を見せられると、話が進みやすくなります。

校種によって向きやすい転職先は違う?

傾向はあります。掲載事例を校種別に見ると、多い職種は次のように分かれています。

校種件数多い転職先
小学校51件総務、事務・バックオフィス、カスタマーサクセス
中学校71件社内SE・情報システム、広報、教室長・スクールマネージャー
高等学校63件エンジニア、法務、マーケティング
特別支援学校20件公務員(行政職)、リクルーティングアドバイザー、人事
幼稚園・認定こども園13件キャリアアドバイザー、事務・バックオフィス
高専・大学13件ITコンサルタント、コンサルタント、大学職員
集計対象:掲載事例231件/集計日:2026年10月24日
  • 小学校|全科を担当し、学級運営の比重が大きいため、特定教科の専門性より「幅広く人を相手にする力」で評価されます。キャリアアドバイザーや人事、事務・バックオフィスに移る人が多い領域です。
  • 中学校・高等学校|教科の専門性がはっきりしているぶん、教材編集や塾・予備校、その教科に近い業界へつながりやすくなります。数学・情報であればIT系、英語であれば出版や語学サービス、というように接続先が見えやすいのが特徴です。
  • 特別支援学校|個別の支援計画を作って回してきた経験が、人事の育成設計や、医療・福祉分野のサービス運営と結びつきます。
  • 幼稚園・認定こども園|保育・教育系の事業会社や、子ども向けサービスの運営に移る例が多く見られます。

養護教諭・栄養教諭の転職先は?

教科を担当しないぶん、専門性の見せ方が変わります。

養護教諭は、看護師や保健師の資格を持っている場合、医療・福祉分野の企業や、企業内の健康管理部門(産業保健)へ移る道があります。資格を使わない場合でも、担任・管理職・保護者・関係機関の間に立って調整してきた経験は、人事や総務で評価されます。

栄養教諭は、管理栄養士の資格を持っていれば食品メーカーの商品開発、給食受託会社の運営管理、医療・福祉施設の栄養管理などが選択肢になります。限られた予算で条件を満たす献立を毎月組んできた経験は、計画を立てて回す力として説明できます。

転職先を決める前に確認しておきたいこと

職種名で決める前に、次の3つを自分の言葉にしておくと、選考でも入社後もぶれにくくなります。

  1. 何を手放して、何を手放さないか|授業をすることを手放せるのか。子どもと直接関わることは残したいのか。ここが決まると候補が半分に絞れます。
  2. 年収と時間のどちらを優先するか|教員の給与は年齢とともに上がる仕組みです。同年代の民間と比べたとき、転職直後は下がることが多くなります。何を得るための下げなのかを先に決めておくと、迷いが減ります。
  3. いつ動くか|年度末に辞めるのか、年度途中でも動くのか。これによって、いつ選考を受けるべきかが変わります。

よくある質問

教員免許は転職で有利になりますか?

教育業界であれば有利に働きます。塾・予備校、教材制作、EdTech、学校法人の事務職などでは、免許そのものより「学校の中を知っていること」が評価されます。一方、異業種では免許が直接の評価対象になることはほとんどありません。免許を持っていることではなく、免許を取るまでに何をしてきたか、教員として何を解決してきたかで見られます。

教員から異業種へ転職するのは難しいですか?

職種によります。育成の仕組みを持つ会社が多い営業・キャリアアドバイザー・カスタマーサクセス・事務は、未経験の受け入れが比較的多い領域です。難しさは「教員だから」ではなく「その職種の未経験募集がどれだけあるか」で決まります。

教える仕事は続けたいのですが、学校以外にありますか?

あります。塾・予備校の講師、企業研修の講師、オンライン学習サービスの講師などです。ただし、勤務時間帯や評価のされ方は学校と大きく違います。塾であれば夕方から夜が中心になり、生徒数や継続率で評価される仕組みが一般的です。

年収を下げずに転職できる職種はありますか?

可能性があるのは、成果給の比率が高い法人営業や、経験年数がそのまま評価されるコンサルタント、専門職としての採用(情報科教員からITコンサルタントなど)です。ただし、いずれも入社後の成果に左右されます。転職直後の提示額だけで判断せず、数年後にどうなるかまで確認しておくことをおすすめします。

転職先はどうやって探せばいいですか?

職種名から探すより、「自分に近い経歴の人がどこへ行ったか」から逆算するほうが早いことが多いです。校種・転職したときの年齢・転職後の職種の3つで絞り込むと、現実的な選択肢が見えてきます。掲載事例では24種類の職種すべてに実例があります。

自分に近い条件で事例を探す

校種・転職したときの年齢・転職後の職種から、自分に近い経歴の事例を検索できます。転職先の業界や企業規模、転職活動の期間、選考の通過状況まで確認できます。

校種から探す場合は 小学校/中学校/高等学校/特別支援学校、職種から探す場合は 法人営業/キャリアアドバイザー/カスタマーサクセス/教材編集・制作/人事 からどうぞ。

データの集め方と、掲載していない情報については このサイトについて をご覧ください。

転職先を決めたあとの進め方は教員の転職の進め方にまとめています。

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この記事を書いた人

教員として教育現場での勤務を経験した後、人材業界へ転職。
転職エージェント時代には、自身の経験を活かして教員から民間企業への転職支援を多数経験し、現在は人事として採用に携わっています。
教員としての当事者視点と、転職支援・採用双方の知見を活かし、本サイトを監修しています。

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