常勤講師・非常勤講師として働いていて、次をどうするか迷っている方へ。正規の教諭とは、辞めるときの進め方も、転職市場での見られ方も違います。この記事では、任用の仕組みを踏まえたうえで、動くタイミングと説明のしかたを整理します。
なお、本サイトの掲載事例229件のうち、正規教諭以外の雇用形態は現在2件です。この記事は制度と一般的な進め方の説明が中心になります。
常勤講師・非常勤講師の立場
| 常勤講師(臨時的任用) | 非常勤講師 | |
|---|---|---|
| 任用期間 | 原則1年以内。年度単位が一般的 | 年度単位、または期間の定めあり |
| 担任・分掌 | 持つことが多い | 原則持たない |
| 給与 | 月給。号給に上限が設けられることがある | 時間給・コマ給が中心 |
| 賞与 | 支給される | 支給されないことが多い |
| 次年度の継続 | 保証されない | 保証されない |
最も大きな違いは「次年度が保証されない」ことです。年度末に近づくたびに、来年度どうなるかが分からない状態が続きます。この不確実さ自体が、転職を考える理由になることがあります。
辞めるタイミングは選びやすい
正規の教諭と比べると、講師のほうが時期を選びやすい面があります。
- 任用期間の満了に合わせる|最も摩擦が少ない進め方です。「更新しない」という形になるため、退職の申し出とは扱いが変わります。
- 次年度の意向調査に答える段階で決める|多くの自治体で、秋から冬にかけて次年度の任用希望を確認されます。ここが実質的な判断のタイミングです。
- 年度途中でも、担任を持っていなければ調整しやすい|特に非常勤の場合、後任の手当てが正規教諭より短期間で済むことがあります。
掲載事例の全体でも、年度末退職が90件、年度途中が35件です。詳しくは 教員はいつ辞めるのが現実的? をご覧ください。
転職市場でどう見られるか
「講師だから不利」ということはありません。ただし、書き方に注意が必要です。
- 雇用形態は正直に書く|隠すと、在籍確認や社会保険の記録で食い違いが出ます。常勤講師(臨時的任用)と明記して構いません。
- 複数校の経験は強みとして書く|年度ごとに勤務校が変わっている場合、環境の異なる職場に短期間で適応してきた経験として説明できます。これは正規教諭にはない書き方です。
- 担当した中身を具体的に書く|「常勤講師」だけでは伝わりません。何人の生徒を、何コマ、どの教科で担当したか。担任を持っていたならその規模も。
- 空白期間があれば説明を用意する|任用が途切れた期間は、採用試験の準備や別の仕事など、事実を簡潔に書けば足ります。
言い換えの具体例は 教員の職務経歴書はどう書く? にまとめています。
採用試験を受け続けるか、転職するか
講師をしながら教員採用試験を受け続けている方にとって、これが一番の論点だと思います。判断の材料になるのは次の3点です。
- あと何年続けるかを決めているか|期限を決めていないと、毎年同じ地点で迷い続けることになります。
- 正規になったとして、働き方は続けられるか|正規教諭になると担任・分掌・部活動の負担は増えます。いま感じている負担が任用の不安定さではなく業務量にあるなら、正規になっても解決しません。
- 年齢と転職市場の関係|掲載事例では20代の転職が81件、30代が108件、40代以上が40件。年齢が上がるほど選択肢は絞られ、年収の下げ幅も大きくなります。
なお、教員免許は失効しません(更新制は廃止されています)。転職しても、講師として戻る道も、採用試験を受け直す道も残ります。
よくある質問
講師の経験は職歴として認められますか?
認められます。常勤講師は常勤の職歴として扱われます。非常勤の場合も、担当した業務内容を書けば経験として評価されます。
複数の学校を転々としているのは不利ですか?
任用制度によるものだと説明できれば、不利にはなりません。むしろ、環境が変わるたびに立ち上がってきた経験として書くほうが伝わります。
年度途中で辞めても大丈夫ですか?
任用期間の途中での退職は、正規教諭と同様に後任の手当てが必要になります。ただし担任を持っていない場合は調整の負担が小さくなります。まずは管理職に相談してください。
いつ動くのが現実的ですか?
次年度の任用意向を確認される時期の前に、選択肢を持っておくのが理想です。掲載事例の転職活動期間は平均5.5ヶ月なので、秋の意向調査から逆算すると初夏には動き始める計算になります。
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あわせて読みたい:20代の教員が転職するには?/教員の転職は難しい?
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