できます。本サイトに掲載している231件のうち、30代での転職は52件と最も多い年代でした。しかも30〜34歳は、全年代で最も年収の下げ幅が小さく、上がった件数も最多です。この記事では、30代の教員が転職するときに何が起きているのかを、掲載事例の集計から整理します。
集計対象:教員転職データベース掲載事例231件/集計日:2026年10月24日
30代の教員は転職できる?
できます。掲載事例では30〜34歳が31件、35〜39歳が21件で、合わせて52件。20代(48件)より多く、最も転職している年代です。
「30代からの未経験転職は遅い」と言われることがありますが、掲載事例を見るかぎり、そうとは言い切れません。30〜34歳は、年収が上がった件数が全年代のなかでも多い年代です。
30代で転職する人が多いのはなぜ?
掲載事例の「転職を考えたきっかけ」を見ると、20代とは理由の質が変わってきます。
- 家族との時間を優先するようになった|結婚や出産を機に、部活動で土日が埋まる生活が続けられなくなったという記録が目立ちます。
- 同じことの繰り返しに気づいた|「去年と同じ授業を繰り返している自分に気づいた」という表現が複数の事例に出てきます。
- 体調を崩した|働き方を変えないと同じことを繰り返す、という判断です。
背景には勤務時間の問題があります。文部科学省の教員勤務実態調査(令和4年度)によると、月の時間外勤務が45時間を超える教員は小学校で64.5%、中学校で77.7%。80時間を超える教員は中学校で57.7%にのぼります。また、精神疾患による病気休職者数は令和5年度に7,119人と過去最多を記録しました。
掲載事例では、30代の転職前の残業時間は平均で月66時間でした。転職後は月28時間まで下がっています。
30代の転職先はどこが多い?
掲載事例の30代(30〜39歳)で多い転職先は次のとおりです。
| 転職後の職種 | 件数の傾向 |
|---|---|
| 経営・事業企画 | 11件 |
| 教室長・スクールマネージャー | 8件 |
| 教育コンサルタント | 10件 |
| コンサルタント | 8件 |
| マーケティング | 10件 |
| 総務 | 12件 |
20代で多いキャリアアドバイザーや事務・バックオフィスに比べて、企画・コンサルティング・マネジメント寄りの職種が増えるのが30代の特徴です。学級経営や分掌で人を動かしてきた経験が、そのまま説明できる年数になっているためだと考えられます。
20代・40代と何が違う?
| 20代 | 30代 | 40代以上 | |
|---|---|---|---|
| 掲載件数 | 81件 | 108件 | 42件 |
| 年収の変化 | 489 → 501万円 | 568 → 547万円 | 684 → 582万円 |
| 上がった件数 | 41件 | 25件 | 4件 |
| 多い転職先 | キャリアアドバイザー、事務 | 企画・コンサル・教室長 | 大学職員、学校事務、公務員 |
20代は未経験としての受け入れが最も広い一方、教員としての経験が短いため「何をやってきたか」を語りにくい面があります。年収の下げ幅が小さく、上がった人も少なくありません。転職前の水準が低いぶん、下がっても影響が出にくい年代です。
40代以上になると、転職前の年収が高いぶん下げ幅が102万円と大きくなります。転職先も大学職員・学校事務・公務員(行政職)など、教育や公的な領域の中で移る例が中心です。
30代は、その中間にあって最もバランスが取れているのが数字に表れています。経験を語れるだけの年数があり、かつ未経験からの育成対象としても受け入れられる。掲載事例で最も件数が多く、年収が上がった件数も最多なのは、この重なりが理由だと考えられます。
30代が持っている強み
掲載事例の「教員経験で評価されたこと」から、繰り返し出てくるものを挙げます。
- 学級運営をマネジメント経験として説明できる|30人規模を1年間動かした経験として語ると、評価のされ方が変わったという記録が複数あります。
- 複数の関係者の間に立って調整してきた|保護者・管理職・関係機関の間で着地点を探してきた経験は、社内調整の実務と重なります。
- 限られた時間で段取りを組んできた|授業準備・行事・分掌を並行して回してきた進め方が、そのまま実務の型として通用します。
- 分掌の経験が職種に接続する|教務部で時間割を組んでいた経験、進路指導部で企業を開拓していた経験などは、具体的な職務と結びつけて説明できます。
30代で気をつけたいこと
- 年収は一度下がる前提で考える|掲載事例の30代平均は16万円の減少です(579万円→563万円)。住宅ローンや教育費の計画がある場合、下がった状態で数年間やっていけるかを先に確認してください。
- 「なぜ今なのか」を用意する|30代の面接では、20代以上に転職理由の一貫性が問われます。学校への不満ではなく、やりたいことの話に置き換えて答えたという記録が多く見られます。
- 活動期間は長めに見る|掲載事例の30代の平均活動期間は5.1ヶ月でした。在職中の活動になるため、面接の日程調整に時間がかかります。
- 退職手当と共済を確認する|勤続年数の区切りで支給率が変わります。辞める時期が数ヶ月違うだけで金額が変わることがあります。
よくある質問
30代からの未経験転職は遅いですか?
掲載事例を見るかぎり、遅いとは言えません。30代は52件と最も件数が多く、その約7割が未経験での転職でした。年収が上がった件数も11件と全年代で最多です。ただし、応募できる求人の数は20代より絞られます。職種を先に決めて探すほうが効率的です。
35歳を過ぎると難しくなりますか?
掲載事例では35〜39歳が21件あり、転職している人は確実にいます。ただし30〜34歳と比べると、年収の下げ幅は大きくなり、年収が上がった件数は減ります。転職先もコンサルタント・教育コンサルタント・総務など、経験を評価される職種に寄っていきます。
子どもがいても転職できますか?
掲載事例には、子どもが生まれたことをきっかけに動き始めたという記録があります。むしろ「部活動で土日が埋まる生活を続けられない」という理由が、転職の動機になっている例が複数見られます。判断の軸を年収だけに置かず、時間も含めて比べることが大切になります。
30代でも教育業界に残れますか?
残れます。30代の転職先で最も多いのは教育・EdTech業界で、教室長・スクールマネージャーや教育コンサルタントとして、学校の外から教育に関わる形が中心です。授業をする立場ではなくなりますが、現場を知っていること自体が強みとして評価されます。
何から始めればいいですか?
まず、いつ辞めるかを決めることをおすすめします。年度末なのか年度途中なのかで、いつ選考を受けるべきかが変わります。そのうえで、自分に近い経歴の人がどこへ行ったかを見ると、現実的な候補が絞れます。
自分に近い条件で事例を探す
校種・転職したときの年齢・転職後の職種から、実際の事例を検索できます。
年代から探す場合は 30〜34歳/35〜39歳 からどうぞ。
あわせて読みたい:教員の転職先はどこ?/教員から転職すると年収はどうなる?/教員はいつ辞めるのが現実的?
出典
- 文部科学省「教員勤務実態調査(令和4年度)確定値」
- 文部科学省「令和5年度 公立学校教職員の人事行政状況調査」
- 教員転職データベース掲載事例231件の集計(集計日:2026年10月24日)
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