教員が転職して良くなること・悪くなること

転職して良くなること 悪くなること

「転職したほうがいいのか、続けたほうがいいのか」。この問いに一般論で答えても意味がありません。人によって答えが変わるからです。

この記事では、教員から転職して実際に何が良くなり、何が悪くなるのかを、良い面と悪い面の両方から並べます。そのうえで、どちらが自分にとって重いかを判断してもらうのが狙いです。

目次

良くなること

時間が戻る

これが最も大きい変化です。掲載事例229件では、残業時間が平均で月40.0時間減っています。年間にすると数百時間です。

土日が自分のものになる、持ち帰りがなくなる、平日の夜に予定を入れられる。部活動の顧問を持っていた人ほど、この変化を大きく感じています。

働いた分が支払われる

教員には残業代がありません(教職調整額として給料月額の一定割合が上乗せされる形です)。民間では、原則として時間外労働に対して手当が出ます。年収が下がっても、時間あたりで見ると上がっているケースがあるのはこのためです。

評価の基準がはっきりする

学校では、頑張っても評価に反映されにくい構造があります。年功で給与が決まり、成果を出しても翌年の待遇は変わりません。民間では、成果が数字で見え、それが評価と報酬に反映されます。これを窮屈と感じるか、公平と感じるかは人によります。

逃げ道ができる

教員は、合わない職場に当たっても異動まで待つしかありません(私立なら異動もありません)。転職を一度経験すると、「合わなければ次に行ける」という選択肢を持てます。これは精神的にかなり違います。

人間関係の負荷が変わる

保護者対応から解放されるのは大きいという声が多くあります。相手が法人になると、感情ではなく利害で話が進むため、消耗の質が変わります。

悪くなること

年収が下がることが多い

掲載事例では、上がった70件に対して下がった115件。平均は561万円から537万円です。年齢が上がるほど下げ幅が大きくなります。教員の給与は年功で上がる仕組みなので、40代以降は落差が出ます。

雇用の安定を手放す

公立教員の身分保障は民間と比べものになりません。倒産も、業績による解雇も、事実上ありません。ここを軽く見ないでください。住宅ローンや教育費の予定がある場合、この安定は具体的な価値です。

育休などの制度が薄くなる

公立教員の育児休業は子が3歳になるまで取得できます。民間は原則1歳、最長2歳です。制度だけを比べれば、教員のほうがかなり手厚いのが実際です。女性教員の転職で詳しく扱っています。

「先生」という肩書きがなくなる

これは想像より効きます。地域や親族から一定の敬意を受ける立場を降りることになります。人からどう見られるかを気にする度合いは人それぞれですが、転職後に効いてくる要素として挙げる人がいます。

やり直しがきかない

教員に戻るには、採用試験を受け直すことになります。自治体によっては年齢制限があります。「合わなかったら戻ればいい」は成り立ちにくいと考えてください。

どちらが重いかは、状況で変わる

いまの状況効いてくる要素
20代・独身下げ幅が小さく、やり直しもきく。良い面が効きやすい
30代・子育て中時間が戻る価値は大きい一方、育休制度の差も大きい
40代以降・ローンあり年収の下げ幅と雇用の安定が重くなる
体調を崩している時間と負荷の改善が最優先。年収は二の次

年代ごとの実際の数字は20代/30代/40代・50代の記事で確認できます。

転職しないほうがいい場合

正直に書きます。次に当てはまるなら、いったん立ち止まったほうがいいと考えています。

  • 特定の人間関係だけが原因|公立なら異動で変わる可能性があります。年収を下げてまで動く必要があるか確認を
  • いまの年収がないと生活が回らない|下げ幅を具体的に計算してから判断してください
  • 授業そのものは好き|働き方の問題なら、校種を変える、非常勤に切り替えるなど、教員のまま調整する道もあります
  • 体調が悪くて判断力が落ちている|療養が先です。判断はそのあとで間に合います

逆に、「この働き方を定年まで続けられない」と本気で思っているなら、年齢が上がるほど選択肢は狭くなります。そこは早く動いたほうが有利です。

判断する前にやること

  • 年収の下げ幅を数字にする|手取りベースで、月いくら減るのか。住民税は翌年度も続きます
  • 退職金を試算してもらう|勤続年数の区切りで変わります。事務室に頼めます
  • 時間あたりで比べる|年収を実労働時間で割ってみる。順位が入れ替わることがあります
  • 実際の事例を10件読む|自分に近い条件の人が、何を得て何を手放したかを見る

この4つをやったうえで「続ける」を選ぶなら、それは情報にもとづく判断です。迷い続けるより、調べて決めたほうが楽になります。

よくある質問

転職した人は満足していますか?

掲載事例の転職後の満足度は5段階で平均3.9です。年収が下がった115件を含めての数字なので、年収以外の部分で納得している人が多いと読めます。ただし満足度の低い事例もあります。

教員を続けながら働き方を変えることはできますか?

できる場合があります。異動希望を出す、担任や部活動の負担が軽い校種へ移る、常勤講師や非常勤講師に切り替える、といった道です。転職より先に、この選択肢を検討する価値はあります。

後悔している人はどんな人ですか?

共通しているのは「年収の下げ幅を具体的に計算していなかった」「転職先の働き方を確認しないまま決めた」という点です。転職して後悔する人はどんな人?で整理しています。

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この記事を書いた人

教員として教育現場での勤務を経験した後、人材業界へ転職。
転職エージェント時代には、自身の経験を活かして教員から民間企業への転職支援を多数経験し、現在は人事として採用に携わっています。
教員としての当事者視点と、転職支援・採用双方の知見を活かし、本サイトを監修しています。

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